高層建築物の壁面は額縁のように引っ掛かっているだけ
※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識3」(http://www.adventar.org/calendars/999)の一環として書いています。
こんにちは、NSIの清水です。
さて、今日は高層建築物の壁がどのようなつくりになっているかお話ししたいと思います。
都心部ではよく高層建築物を見かけますね。
実はその壁が額縁のように引っ掛けられているだけであるということを知っていましたか?
安心してください、壁に寄り掛かったからといって外れてしまうようなことはありません。
むしろ、これは安全のために施された工夫なのです。
日本は地震大国として知られている国ですが、高層建築物が崩落したという話は聞いたことがありませんよね。
現代の高層建築物は、木のように少しだけしなることによって強風や地震で折れてしまうことを回避しているのです。
この時問題となるのが、高層建築物の外壁が伸び縮みしないこと。
壁がしっかりと固定されている場合、建物がしなると壁が耐えきれず裂けたり潰れたりしてしまい、下に割れた窓ガラスや外壁の破片が落ちてくることに!
そこで、壁をしっかり固定せずに引っ掛けるだけにしてあるのです。
こうすれば、壁同士が少しだけ動くことで、ある程度伸び縮みができるようになります。
つまり、建物がしなっても壁が壊れることはなくなるのです。
こうした強度的な理由以外にも、あらかじめ壁をユニットとして作っておくことで、高所での作業時間を削減できます。
つまり、作業員の安全性を高める効果も期待できるということですね。
理由を知らなければ危険を感じてしまうことでも、実は安全のための工夫だったというお話でした。
「高層建築物の壁面は額縁のように引っ掛かっているだけ」という豆知識、明日の話題提供になれば幸いです。