新・身近な科学

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まつぼっくりのこと

※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識3」(http://www.adventar.org/calendars/999)の一環として書いています。



こんにちは!NSIと仲よしのみやちくです。

明日はついに待ちに待ったクリスマス・イブですね。みなさんパーティーの飾りつけは進んでいますか?クリスマスのオーナメントといえば、キャンディーやヒイラギ、ベルなど様々ですが、今日はその中でもちょこちょこ見かける「まつぼっくり」についての豆知識を紹介したいと思います。
まつぼっくりは皆さんご存知の通りマツ科の針葉樹の球果のことです。実はこの針葉樹の球果というのは、種類によって成熟期間がまちまちで、開花したその年には成熟しないものもあるのです。
さて、ここで問題です。下記のサイトにある写真の、エゾマツとアカマツのまつぼっくりの成熟期間は何年でしょう。

正解は、エゾマツが1年、アカマツが2年です。
実はコレ、鱗片(うろこみたいなの)の露出部分をよく見ると答えがわかるんです。下のアカマツのまつぼっくりの鱗片には「へそ」と言われるひし形の構造があります。これは未成熟の小さい球果が冬を越したときにできる年輪のようなもので、この数を数えると成熟にかかった年数がわかるというわけです。私たちが普段目にするまつぼっくりの成熟期間は2年以内のものがほとんどですが、なかには3年目の秋まで成熟しない種類もあるみたいです。

これは余談ですがまつぼっくりは古くは松陰嚢(まつふぐり)と呼ばれていたそうです。今年のクリスマスには間に合わなかった未だ青い松陰嚢たちも、厳しい冬の時季を耐え抜き次の秋には立派に成長して種子を飛ばしていることでしょう(意味深)。

ということで、今日の豆知識は「まつぼっくりの鱗片を観察すると成熟した年数がわかる」でした!クリスマスの飾りつけを見つけた際にぜひ話してみてください。明日も明後日も話したくなりますね!