新・身近な科学

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知っていますか?マッチのこと

※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識4」(http://www.adventar.org/calendars/1675)の一環として書いています。

こんにちは、NSIのイソップです!

実は,2年前に学部時代の仲間とゲストライターとして参加していました!折角発掘したので,よろしければこちらもご覧くださいませ。

モミの木の持つ驚きの力 - 身近な科学

それはさておき,今日はタイトルにもある通り,「マッチ」に関する豆知識をご紹介します。

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まずは「マッチ」の歴史について。
世界で最初に開発されたマッチは1827年に開発されましたが,35℃程で自然発火したり,毒性があったりする「黄リン」を使用していたため,どこにこ擦りつけても火が点いてしまうという非常に危険なものでした。

そんな危険なもの使えないじゃないか!

ということで,1852年に現在,皆さんがよくご存じの「マッチ」が開発されました。
※黄リンマッチは,その毒性と自然発火の危険性から、1912年世界的に製造禁止となっています。

さて,こんな歴史がある「マッチ」。
正式には「安全マッチ」と呼ばれ,「軸木(じくぼく)」、軸木先端の「頭薬(とうやく)」、マッチ箱側面等にある茶色の「側薬(そくやく)」の3つで構成されています。それぞれにどのような特徴があるのか見てみましょう。

「軸木」:軸木燃焼後の残火防止のためのリン酸アンモニウム等を浸透させています。
「頭薬」:燃焼剤として硫黄,松脂,膠など,燃焼の手助けをする酸化剤の塩素酸カリウムなどが使われています。
「側薬」:発火剤の赤リンや硫化アンチモンなどが使われています。

この頭薬と側薬を擦ると,最初に「頭薬」の塩素酸カリウム(酸化剤)と,「側薬」の赤リンが反応して発火し,それが「頭薬」に燃え移るという流れになっています。つまり,マッチで最初に発火するのは側薬側なんです!(速すぎて見えないと思いますが…)
…ということで,「マッチで最初に発火するのは側薬の方である」を今日の豆知識としたいと思います。

本当かどうか確かめるとともに,他の人にも話してみてくださいね!


余談ですが,日本の家庭用マッチ最大手の兼松日産農林が,マッチの製造事業から撤退するとのニュースが…。時代の移り変わりを感じた今年の師走でした。
www.nikkei.com

明日もお楽しみに!!


参考サイト
[1]asahi.com:マッチはなぜ火がつくの? - ののちゃんのDO科学 - NIE - 教育
[2]マッチはどうして火がつくの|科学なぜなぜ110番|学研サイエンスキッズ
[3]http://www.match.or.jp/images/matchnohanashi.pdf
[4]燐寸百科・作り方