新・身近な科学

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身近なあれの順番

※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識4」(http://www.adventar.org/calendars/1675)の一環として書いています。

こんにちは!NSIの岩山です。

今日は2016年12月13日、火曜日です。

突然ですが、なぜ今日は火曜日なのでしょうか?

なにやら哲学的な問いかけになってしまいましたが、もう少し具体的に、「曜日の並びはなぜ月火水木金土日なのか?」としてみるとどうでしょうか。
これにはいくつかの説があるようですが、そのうちの一つを紹介します。

曜日が定められたのは、古代ギリシャの時代のことでした。
当時は天文学占星術が盛んで、特に不規則に動く星に大きな興味が持たれていたようです。
そのころ見つかっていたのは、地球に近い水星・金星・火星・木星土星、それに太陽と月の7つの星でした。
この7つが曜日に対応しているので、以下、水星=水、太陽=日などと表すことにします。

7つの星を公転周期が長い順に並べると、以下のようになります。

土木火日金水月

当時は太陽系のモデルはまだなかったと思いますが、おそらく不規則に動く星が元の位置に戻る周期などで判断していたのでしょう。
太陽は公転していないので、代わりに地球の公転周期で並べてあります。

これで天文学的視点から七曜の並びが得られたのですが、まだ見慣れたものにはなっていませんね。

ところで、当時の占星術では、1日24時間の1時間ごとに七曜を当てていたそうです。
例えば1日の最初の1時間を「土」だとすると、1日24時間は

土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火

となります。

これをさらに続けていくと、

土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火
日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水
月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木
火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金
水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月
木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日
水月土木火日金水月土木火日金水月土木火日金水月

となって、ようやく私たちにもなじみのある並びが出てきました。
その日の第1時間目、上の文字列でいうと一番左の列を上から順に並べたものが、現在世界中で使われている曜日の起源です。

長くなってしまいましたが、今日の「明日話したくなる科学豆知識」は、
曜日の並びは、惑星を公転周期順にしてそれを1時間ずつに当てたときの並びに由来する
ということにしたいと思います。