新・身近な科学

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数学記号を決めたのは誰?

※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識4」(http://www.adventar.org/calendars/1675)の一環として書いています。

こんにちは、NSIのしろがねです。

数学の世界では、多くの記号が使われています。
有名どころでは円周率π、三角関数にでてくるsinやcos、虚数のi。
他にも総和を表すΣ、馴染みは薄いかもしれませんが自然対数の底eなど…。

さて、これらの記号、誰が決めたのでしょうか?

「なんか…国際数学協会?とか…そんなのじゃない?」とお思いのあなた。

残念!!

じつはこれらを決めたのは、たった一人の数学者なのです。

その数学者は、レオンハルトオイラー
18世紀ヨーロッパで最も優れた数学者であった、と言っても過言ではないほど素晴らしい業績を、大量に残した数学者です。
数学のどの分野を勉強しても、必ず一度は名前を見ることでしょう。
数学だけでなく、物理学や天文学の世界でも活躍し、名を残しています。
なんらかの分野で「オイラー」という名前が出てきたら、それはまず間違いなくレオンハルトオイラーを指します。
というくらいすごいひとなのです!

オイラーについて語ると熱くなってしまうのでここで止めておきますが、とにかくこの人が、かなりの数の数学記号を定めました。
彼は数学の入門書を書いており、その中で、当時まで定まっていなかった、または人それぞれに使われていたさまざまな定数や記号に対し、「これはこの記号で書くことにしよう」と記しています。

しかし、一個人が決めた記号を、300年弱を経た現在でも使っているというのは、驚きですね。
それほど、レオンハルトオイラーという人物の影響力は大きかったし、書いた書物も多くの人に読まれ、人気だった、ということなのでしょう。

ということで、今日の「明日話したくなる豆知識」は
「数学記号の多くは、一人の数学者が決めたもの」でした!