新・身近な科学

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ホワイト・クリスマスの可能性

アドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識4」の膝がわりをつとめます、某大学生のなっきゅんです。

噂によると、大学生はこの時期になると「クリスマス」が気になるらしいので、今回は「ホワイト・クリスマス」についての豆知識をお送りいたします。

さて「クリスマスを避けるために行く国トップ10」に選ばれている日本ですが、実際にホワイト・クリスマスになる地域はどこなのでしょうか?

ホワイト・クリスマス常連の北海道や日本海側はさておき、あまり雪の降るイメージのない東京に焦点を絞ってみましょう。

東京の12月24,25日は、日本気象協会によると積雪が過去30年間ありません!
去年、一昨年も積雪記録なしとなり、見事記録更新中となります。


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また、気象庁天気相談所作成のデータによりますと、
12月の平均降雪回数は0.8回ですので、やはりホワイト・クリスマスの望みは儚く散りそうです。

もし雪が降るとしたら、どのような気象条件であればよいのでしょうか?

これは一般的に
・地表付近で3 ℃以下
・上空1,500 m付近で-6 ℃
・上空5,000 m付近で-30 ℃
が目安とされています。
ここまで冷え込むとニュースでは「冬将軍がやってきた」という言葉が聞けます。

実は先ほど
12月の24、25日は「過去30年間積雪記録がない」と書きましたが、
降雪はあったようです。

2014/12/25の午後7時ごろに「品川で雪が降っている」というSNSへの投稿が多数ありました。
実際にその当時の雨雲の動きが下の図になります。

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たしかに雨、雪が降っても不自然ではありません。
さらにこの日の天気概要は
・冬型の気圧配置で寒気が南下
とありましたので、雪が降る条件が整ったことが想像できます。
「記録ではくもりだったじゃないか!」と思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、雪が降っても観測地点で雪が積もっていないと「積雪なし」と記録されしまうという場合や、局所的に降ったという可能性が考えられます。

したがって、記録自体は「くもり」でも場所によっては雪が降り、「ホワイト・クリスマス」になる確率はあるということです!

そして今年の東京の天気予報では
・最低気温 2 ℃
・降水確率 10 %

これは二年前の再来が期待できる!・・・かもしれません。

以上、今回の豆知識「ホワイト・クリスマスを確実に楽しみたいのなら、北海道、青森、秋田、新潟、長野に行こう!」でした。


メリークリスマス!!