新・身近な科学

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金星探査機「あかつき」は何をしに行ったの?

※本記事はアドベントカレンダー「明日話したくなる科学豆知識3」(http://www.adventar.org/calendars/999)の一環として書いています。


こんにちは,はじめまして.
科学勉強会新入りの なっぴ です.

最近「金星探査機『あかつき』の軌道投入に成功した」というニュースをよく耳にしますね.
宇宙を研究している会社JAXAの金星探査機「あかつき」が,金星を廻る軌道に投入され,無事金星の衛星になりました.
「あかつき」は以前にも一度金星に近づこうとしたのですが,ブレーキが故障していたため金星を通り過ぎてしまいました.
5年間かけて金星に追いついた「あかつき」は,今月7日に再び金星への接近に再チャレンジし,金星の衛星になることに成功したのです.

ところで皆さん,金星探査機「あかつき」は,何をしに金星へ行ったのかご存じですか??
「あかつき」で金星を調べることで,何が分かるのでしょう??

金星は,太陽系のなかで地球のひとつ隣を廻っている惑星です.
太陽からの距離や惑星の大きさが地球と似ているため,地球と金星は,似たようなタイミングで,似たような惑星として誕生した「双子の星」だと考えられています.

しかし,双子である地球と金星は,全く異なった惑星に成長しました.
現在の地球には酸素があり,空には雨を降らせる雲が浮かんでいますが,金星の大気は高温の二酸化炭素が多く含まれていて,空には強い酸性の雲が浮かんでいます.
上空では時速400 kmを超える暴風が吹いていて,とても人間が住めるような環境ではありません.

なぜ地球と双子である金星はこのような姿をしているのでしょう.
それが分かれば,現在の地球の気候がどのようにできたのか,なぜ地球に生命が誕生したのか,地球の気候はこの先どうなるのかを解明するヒントが得られるはずです.
「あかつき」で金星の気候が解明されれば,地球の気候を理解する手がかりが得られるのです.

最近話題になっている金星探査機「あかつき」は,金星の気候と地球の気候を比較し,地球を理解する手がかりを得るために,金星へと向かいました.
先日から金星の回りを廻りはじめた「あかつき」は,来年春から金星の観測を開始します.
「あかつき」の調査でどんなことが分かるのか,楽しみですね!